転職して1ヶ月。
同業他社への中途ということもあり、役職付きで転職になった。
おかげで即戦力としての期待とプレッシャーに押し潰され、地元に帰ることすら考るようになり、生活のすべてが仕事への不安と嫌悪で満たされていた。
そんな時、とある知人に事の詳細を話してみることにした。
知人は管理職を何度も経験しているデキる人間だ。
「もうダメだ・・・すぐには出来っこない。役職を降りてでも時間をかけて習得するのを許されるか、地元に戻りたい。」
そう言った私に、知人は
・何が出来ないのか
・どうして出来ないのか
・同じことをしている他の人はどうやっているのか
これを繰り返し繰り返し私に聞いてきた。
はじめのうち、説明している私は本当にひどいものだった。
聞かれたことに対してまともに答えることすら出来ていなかった。
例えば、
『どうして時間内にそれが君だけ出来ないの?動作が遅いの?』
と聞かれれば、
「私はこれをしているうちに他の人がそれをして、そうするとまた私が修正にかかって・・・」
動作が遅いのかどうか聞かれているのに、状況を思い出してパニックになっていたのがよく分かる。
そして知人は聞く。
『同じことしている他の人はどうやって時間内に終わらせてるの?』
『どうやったら出来るか聞いて、慣れって言われてそれで何も思わないの?』
そんな問答を延々としているうちに、問題が整理されてきて、役職を降りてまで肩を落とす状況ではないのではないかと冷静になることができた。
出来ないことはたくさんある。
しかしそれらに対して、叱られた時の心のざらつきや、指導者(先輩)の冷たい表情などをいちいちくっつけているから、いつまでもパニックで冷静になれなかったのだ。
そこで、思い出すことでパニックになるならと、自分で問題点を書き出し、感情と切り離すことにした。
・何に困っているのか
・どうして困っているのか
・嫌なことは何か
どうしたらいいのか、については書かなかった。ほとんど書けなかったからだ。
それでも、困っていること(問題)と嫌なこと(感情)を切り離すことで、だいぶすっきりした課題が浮かびあがった。
あとはこれを先輩でもなんでも、解決に導いてくれる人に聞いてみればいいだけだ。
別にこの作業で明日からすべてが出来るようになるわけではない。
でも、結果的に出来なくて、どうしていいかわからない状況からはだいぶ抜けだせるはずだ。
ストレス下でIQが下がることは知ってるくせに、自分がそうなっても全然気付かない。
さすが管理職をしているだけあって、人の問題を指摘と解決へ導くデキる知人だと思った。